本日も当ブログをご覧頂きまして有難う御座います。
どうもテツヤです。

本日の作業紹介は、神奈川県からお越しの「メルセデスベンツ V350(W639)」で御座います。

良いっすね〜Vクラス♪
家族での移動や友人複数での移動など、大人数での移動でとても便利です。
人は乗れるし荷物も積めるし、後席が広いから窮屈じゃあない。
後ろのドアはスライドドアだから、駐車場でドアパンチする心配もない。
そんな利便性が「ベンツの防御力」で手に入るのだから頼もしいです♪

さて今回のご依頼は、カーナビ配線等の手直しとなります。
古くなったクラリオンナビから、Androidナビに交換。
出張作業の業者に依頼したところ、バックカメラが使用できなくなり、左リアスピーカーから音が出なくなった。
との事で、これを何とかして欲しいとのご依頼であります。

通常、こういった場合には。
先ず、作業を行なったお店へのご相談をお勧めするのですが。
(当社への依頼は有料ですが、作業店舗であれば保証での無料作業になる可能性が高いので)
相談はしていたものの、なんだかんだと渋られていた挙句、着信拒否となってしまった。との事。

当社としては基本的に、何処かのお店とユーザー様とのトラブルには、あまり関わりたくはないのですが。
(過去の経験から、あまり良い事にはならないので…汗)
ただ今回はご紹介という事もありますし、症状からして「配線抜け」程度だろうとの予想もあり。
先ずはお車を拝見させて頂く事に。

そしてビックリ、開けて後悔…(汗

お車をお預かりさせて頂き、取り敢えずカーナビを外すと。
なんと言いますか、配線のジャングル…何がどうなっているのか意味不明。
ていうか、よくもこれで(ナビが)入っていたな状態(汗
これでは状況が分からないので、サクッとまとめようと試みるも。

一向に片付く気配が無い。
ナビ以外にも、カメラやドラレコなどを同時に取付されているのですが。
配線色が途中から変わってたり、外したクラリオンナビの配線が残ってたりで。
ここから先に進むにはリスクが発生する可能性がある…(汗
つまりは簡単には片付かない可能性が高いので。
お客様には、高額作業になる可能性が高い事をお伝えしまして。
再度、実際に作業をしたお店に相談される事をお勧めします。

結果、当社での作業にて進めさせて頂く事になりました。
そうと決まれば、覚悟を決めて先に進みます。
先ずは問題点の確認。

リバース線が未接続。
これではバックカメラは使えないでしょうね。
不具合内容にあった「バックカメラが使えない」の原因はこれでしょう。

イルミネーション配線が赤線に接続されている!?
イルミ配線がACCに???
テスターで調べると、ACCでもイルミでもない。
じゃあこの赤い線は何だ???
謎の信号線に繋がっているイルミネーション線…意味不明です(汗

スピーカー配線は捻って絡ませているだけ…しかも外したはずのクラリオンナビ配線で。
ギボシ端子を使ってない…そりゃあ接触不良起こすよね(汗
接点を確保してあげたら、左リアスピーカーの起動を確認。
これで、主だった不具合原因の確認が完了。

巨大な団子状態の配線を、少しずつほぐしていきます。
途中で切断されているだけの配線を確認しているので、作業は慎重に進めます。
ここまで酷いのは、久しぶりに見ました(汗

芯線剥き出しのままで押し込まれていた、バックカメラの配線。
ショートして壊してたらどうするんだろうか…。

カメラ側の信号線も未接続。
これでどうやってカメラを機能させるつもりだったのか?
完成テスト時に写ってなかったろうに…(汗

そしてそして。

剥いただけの配線を、捻ってスリープにねじ込んだだけのACC線。
途中にヒューズも見当たらず…こんなに恐ろしい事はないです。
燃えていたらどうするんだろう…。
ていうか「出張作業業者」なのに、ギボシ端子も持たずに仕事してるの???

そして何故か浮いているパネル部分。

パネルを外すと、何かの配線が通ってる。
何の配線だこれは?ていうか、何故にここを??

配線を追っていくと、ウェザーストリップの”内装を挟む部分”に侵入。

ここから上に向かって配線は伸びてます。

あぁこりゃあ凄い…何といっていいのか…(汗

他が凄すぎてスルーしちゃったけど。
GPSアンテナ、この位置にこの向きで大丈夫なやつなのかな?
しかも配線潰れてるし、中で断線してなきゃ良いけど…。

で、反対側も追っていく。

辿っていくとナビ裏に到達。
何かの配線だと判明…こりゃあ何の配線だ?
ドライブレコーダーの配線か…(汗
ミラー一体型のドラレコの配線でした。

どうしてここを切り取っているんだろう?

なるほど、ドラレコのコネクターを通すためか。
ていうか、ナビ裏から下に落として、グローブBOX裏から持っていけば切り取る必要はないのでは?
そこまでして最短距離を選ぶ理由は何だろう、ここを切っちゃったらナビ固定が弱くなるのに…。

パネル裏の爪やクリップは取り除いて。

両面テープで固定されてました。ていうかされてませんでしたけど(汗
いや両面テープ使うなら、せめてもう少し綺麗に…という問題でもないのか。

グローブBOX裏への配線を省略し、最短距離を通すための加工と処理だったんですね。
何と言いますか、色々とひどい…。

個人的にはここで、あまりネガティブな発言や愚痴。
あるいは悪口に聞こえそうな事などは書きたくないのですが。
この作業を行なった業者さんに、手直しをされなくて良かったと思います。
これはですね、ちょっと信じられません…(汗

「このぐらいなら、出張で来てチャチャっとやっていくよ!」

とは、我々がよく言われるセリフであります。
まぁつまり「もっと安くしろ」という意思が裏にあるのですが。
こんな仕事で良ければ、確かに”安く”はできますね。

短時間でチャチャっと終わらせて、多くの件数をこなして稼ぐ。
クレームが発生したら「着信拒否」でスルーしちゃえばいいんですから気楽です。
こういう時は、店舗を持たずにスマホだけで商売する利点が生きます。
行き詰まったら、社名とスマホの番号を変えて、同じ様にやればOK。
いやいやちょろい商売ですな電装業って♪

という商売はしたくないし、これは長く続かないし、相手を騙すような商売はできない。
「品行方正な競争を」とは松下幸之助の言葉であったか、私もそう思いますです。
しかしですね、お客さまの側から見れば一緒なんですよね。
今回は”たまたま不具合が出た”から業者の悪さが分かっただけで。
不具合が出ていなければ「安くて早くて良い業者」というのが、この業者さんの評価になってたでしょうし。
こういう業者さんと同じには見てほしくはないのですが。
そこから相対的に評価され見られてしまうのが、我々としては悲しいのであります(涙