本日も当ブログをご覧頂きましてありがとうございます。
どうもテツヤです。
本日の作業紹介は、神奈川県からお越しの「BMW MINI Cooper(R56)」で御座います。

実はこのお車、MT車なんですよね。
このサイズでのMTは面白いでしょうね!まさに「ゴーカート感」が楽しいと思います♪
世の流れが「自動運転」へと進む中、それと反比例する様に「面倒さ」が注目されてる様に感じます。
私自身もそれは感じていて、今のうちに「素性のしっかりしたMT車」を手元にお置いておきたい気持ちが湧いてます。
今ならまだ、新車で手にいれる事も可能でありますので、お金を持っている方は是非。
できれば「純正まま」で乗り続けて、そのまま中古で放出してほしい…。
と、私の様な貧乏人は願うわけです。
さて今回のご依頼は、アルパイン製のインテリアミラーモニター型 前後2カメラドラレコ の取付です。

他車用の載せ替えでありますので、MINIには合いませんので。
その点が懸念点ではありますが、そこは「やってみて」でOKをいただいたのでGOであります。
製品の他にも、お客様からの支給品として。

MINI用のミラーアームもあります。
これで一応は、物理的な問題点は”概ね”クリアされているはず。
あとは製品と車両の幅に期待しての作業です。
ある程度年式のある車両では、冬の冷たさは大敵。

なので十分に温めてから作業を開始します。
温めている時間を利用して、養生テープなどの準備も進めます。
あくまでも効率的に進めるのが前提ですね、無駄に時間を使ってはいけません。
「配線作業は遠くから」の基本に忠実に。
先ずはリアカメラ配線からスタート。

R56のリアゲートチューブはゴム製のみで構成されているので。
樹脂部品を使ってる場合とは異なり、外して作業が可能です。
破かない様に注意は必要ですが、厚いゴムを使用しているので”まだ”大丈夫ですね。
ただし配線側には問題あり。

カメラコネクタと延長ハーネスコネクタの位置関係が悪い。
どう調整しても、ハイマウントストップランプ付きパネル内に、コネクタ接合部が入ってしまう。
ここには厚みのある部品は置きたくないので、ずらしたいのですが叶わずです。
これのせいで、パネルが少し浮いてしまうんですよね…。

配線はパネルに固定できるのでOKなのですが。
「浮き」のせいで少々見た目が悪い。
そして「浮き」の分だけ固定が完璧ではないのも心配です。
もしも外れた場合は、見た目を完全に犠牲にしてでも、配線は外に出すしかないでしょう。
リアカメラ配線を終えたら、ミラーモニターの準備。

純正ミラーは捻って外します。
繋がっていた純正配線は再利用するので丁寧に扱いましょう。
防眩機能はいらないですが、リモコン受光部は必要ですので。
アルパインのミラーを作ります。
アームを前車のそれからMINI用に交換。

配線を通すための穴が小さくて苦労しました。
コネクタ径に対して穴が小さすぎる…。
とはいえ、通さないと取付できないので、なんとかするしかない。
通すには通しましたが、たぶん外せないですねこれ(汗
あるいは今回は運良く通せましたが、2度も幸運は続かないかもしれない。
故に「レア作業」決定です(汗
モニターの準備が終わったら、電源の確保へ。

ヒューズBOXを使った先客がいましたが、これには触らず。
個人的に、あまり好きではない電源の取り方なので、ここは利用せずに配線から直接いただきます。
ヒューズ型配線は、ハンダの部分で折れるんですよね、車の振動と劣化で。
電源の取り方としては簡単で良いのですが、ちゃんと処理しないと後々断線します。
ちなみに、BMWの純正配線は「テサテープ」を使ってるので、こちらもテサテープで処理します。
ビニールテープでは違和感が発生するので、今回はビニテは使いません。
電源線は、ここから上に。

ピラーカバーを外して配線を通します。
これが「当たり前」でなくなったのは残念ですね。
昔は「ふ〜ん」って内容でしたが、今は「丁寧ですね」と言われる様になりました。
「効率化」と「手抜き」は違うのですよ、そうしないといけない理由があるのです。
いくら理屈を捏ねて正当化しようとも、正論には敵いません。
押し込むだけのそれは「手抜き」です。
GPSアンテナはルームミラー裏に設置。

アルパインならいけるだろ?的な考えですね。
基本的に大手日本メーカー製なら大丈夫なはず。
これでもしダメなら、大きな「やり直し作業」が発生するので大問題。
故に受信性能は非常に重要であります。
その昔、パイオニアには裏切られた事はありますが、その後は改善されてOKとなった記憶。
まだモニターをダッシュボードに設置していた、オンダッシュナビ現役時代のお話です。
当時驚いたのは、ユピテルのGPSアンテナが受信感度良かった事。
大手よりも全然良かった記憶があり、それ以降はユピテル株が上昇しましたね、個人的に。
という経験があるので、基本的に中華製ナビは信頼度が低いのです。
従って、ダッシュボード上に設置するのが最も安全策となります。
もし「隠し込む」のを希望される場合は、その分の工賃が発生するでしょうね。
だって面倒なんですもん、やり直したりテストしたりするのって…(汗
しかし、ここで更に問題が発生。
ミラーのアームカバーが取付できない…。

ミラーの配線分、アームが物理的に太くなったのが原因。
純正のアームは、配線をアーム内に通していたのです。
コネクタまで収まる程の溝が掘ってあったのですが。

社外品のアームには、その溝がないので。
ミラーの配線を外側に這わせるしかない。
その分の厚みが発生してしまうので、カバーが装着できなくなりました。

これは製作者側のミスでしょうね。
いやミスではないのか、気が利かないってだけで。
使用上の問題はありませんが、見た目が悪いかな?
最近はこういった部品に触れる機会が増えた気がしますね。
純正部品の外し方の順番を無視した部品とか。
整備書の手順通りに外したら壊れるって罠かよ!みたいな(汗
えぇ、つい最近も経験したばかりです(涙
そこまで車の好きじゃない人が作ったんだろうなぁ。
続いては「純正キーレス受光部の移設」です。
これには純正ミラーをバラします。
先ずは真っ二つ、爪だけで構成されているので、割らない様に注意。

ミラー角度調整つまみを外して、基盤を引き摺り出します。
つまみの支柱には返しがついていて、それを受け手側が3箇所の爪で固定してます。
カッター並みの薄さを持つ工具で爪を外すのですが、工具がない場合は破壊しちゃった方が早いです。
同様の作業を行なっている場合、純正ミラーの再使用は考えていないでしょうから、壊しちゃうのが良いですかね?
怪我するよりは、はるかに効率的です。
また、慣れるほどの作業量は発生しないと思いますんで。
同業者の方は、お客様に許可取って支柱切断でも良いと思います。

固定金具とはスクリュー2本で止まってるので。
それを外せば基盤はフリーになります。
で、コネクタに繋ぐ純正配線も再使用するので、こっちもフリーにしましょうか。

コネクタからピンを抜くので、事前に記録。
ピンの位置と配線色がわかるように記録しとくと便利。
スマホができてから、こういった場面も役立ちますね。
メモ取らなくて済むので作業が早い。

コネクタを外したら、純正アームから引っこ抜く。

抜いたらコネクタに戻して、基盤に繋げたら部品としての準備はOK。

このままでは音が出ちゃう可能性があるので。
異音対策でスポンジ巻いちゃいましょうか。

車両側の配線と繋いで、電気的には完成。

受信部品を固定したら、物理的にも完成。

純正キーレスでの機能をテストして無事完成。

R56はフロントセンサー等の純正部品がないので。
ドラレコのフロントカメラを車両中心線上に設置できるのが良いです。
映像の左右バランスが取れてるのは、観ていて気持ちが良い!これ大事です♪

リアカメラは、当然のこと中心線上。
ハイマウントストップランプに配線が被らない様に処理。
ただしコネクタの厚み分で隙間が気になるか?
とはいえ、配線丸ごと外に出した方が、見た目は悪いんですよね。
これは難しい選択ですよ、ご希望がいただいたら外に出しましょう。
今は様子見で使っていただきます。

以下はリアカメラの映像。
後方確認用としては十分な視野角ですね。

続いてフロントカメラの映像。
車両の中心線上にカメラがあるので、映像に気持ち悪さがない。
常時確認する映像ではないので、どうでも良いと言えばいいのですがね(汗
あくまでも個人的な主観です。

GPS純正状況も問題なし。
さすがはアルパインでありました、こういった部分で安心できるのは大きい。
それは作業者側の視点でも思う事なので、売る側に伝わってほしい感情です。

それが買い手側にも伝われば、「安さ」に駆逐されかけている日本メーカーの追い風になる気がするんですけどね。
とは言え、先ずは「候補」に入れてもらえなければ、こういった情報にも触れないわけで。
なかなかに難しい問題であります…。